MyFav Gameは、当サイト管理者がその週プレイして面白かったインディーゲームについてゆるーく書きちらすコーナー。7回目です。過ごしやすい季節ですね。
再帰する箱の迷宮で、脳がふやける / 『Patrick’s Parabox』

寝る前に数ステージ『Patrick’s Parabox』を遊ぶのが日課です。本作は、倉庫番に“再帰性”といった要素を組み込んだパズルゲームです。再帰性というと難しそうですが、基本的には至ってシンプル。箱の中に入るとまた箱があって、その中にもまた箱があって……という、いわばマトリョーシカ式の構造になっているのが特徴です。
ルールは箱を押してゴールの位置に運ぶだけ。ただし、箱の中に入るとそこも一つのステージになっていて、内部構造によって外の挙動が変わったり、逆に外の操作が中に影響したりもします。プレイ中は常に“複数の視点”を並行して考える必要があり、パズルというよりも思考のジャグリングをしているような感覚に。とにかく文章での説明が難しいので、こればかりはやってみて!としか言えない。
パズルの構成自体はそこまで複雑ではないので、あれこれ試しているうちに、ふとした偶然で解けてしまうことも。「あれ?なぜ今のでいけたの?」と一瞬思考が追いつかない。でもあとから理解が追い付いてきて、「あぁ、そういうことか」とパチパチっと脳内で電球が灯っていくあの感じ。これが超気持ちよすぎて、次のステージに進む手を止められません。(寝れない
ゲーム全体のテンポも秀逸で、1ステージのサイズは小さめ。それでいて仕掛けの発展がとにかく多彩で、同じギミックを繰り返すような飽きも感じさせません。レベルデザインのうまさと、再帰というアイデアの応用力の高さが見事に噛み合ってる印象です。
パズル好きの方は迷わずおすすめの一作です。脳をふやかしながら、ゆっくりハマってみてください。重複しますが、本当におすすめ。
ジャンプすると世界が変わる / 『Moonleap』

『Moonleap』は、ジャンプする度に世界が切り替わるシンプルなルールのパズルアクション。シンプルながらそのルールの活かし方が上手で、謎の中毒性がある作品です。
ステージはすべて一画面で完結しており、ゴールへの道筋は一見すると簡単そう。でも、実際にプレイしてみると、ジャンプによって足場がトラップに切り替わる仕組みとなっており、「あれ?ここはどう抜けるんだ……?」と立ち止まる場面も。試行錯誤を繰り返し、なんとかうまくいったときの達成感はなかなかのものです。
ゲームの進行とともに新しいギミックが少しずつ追加されていく設計も見事。プレイヤーを急に置いてけぼりにすることはなく、丁寧に学ばせてくれるので、誰でも気軽に楽しめるかと。あとちょっとした探検要素もあったりして、ただのステージクリア型ゲームに留まらない世界の広がりがあるのもGOOD。
アートはシンプルでかわいいです。ピクセルで描かれた世界に漂うちょっと不思議で切ない空気感が心地いい。音楽も静かに寄り添ってくれるような優しいメロディで、ふとした瞬間に手を止めて聴き入ってしまうほど。低価格で購入できるコスパの良いパズルゲーでした。
プレイ時間は3~5時間ほどと短めですが、密度の濃い体験が詰まっています。テンポよく、心をふっと緩めながらも、しっかり考える楽しさが味わえる。そんな“よくできた小品”という言葉がぴったりな一本でした。気になっているなら、ぜひプレイしてみてください。
地味にジリジリ、だけどクセになる

『Die in the Dungeon』をちょこちょこ進めています。本作はダイス×デッキ構築×ローグライクを組み合わせたデッキ構築系ゲーム。本作における戦闘は、盤面にダイスを並べて、攻撃・回復・ブロックなどの効果を発動していくシンプルな仕組みで、「どう並べるか」「どのダイスを強化するか」といった戦略性を考えるのが楽しいです。
中盤から重要になってくるのが盤面の制約。たとえば一列に並べたダイスの効果がブーストされるのですが、「空いているスペースがもうない」とか「この色のダイスを置くと効果が足りない」といった、詰め将棋っぽい局面もあります。これがパズル的な思考を刺激してきて、1手1手が楽しい。
しかし、サイコロの目や種類は完全に運も絡むので、理不尽な展開もあります。全体的なルックも派手さはなく、プレイフィールも若干ワンパターンになりがちなのもちょいマイナス点。とはいえ、いろんなギミックを駆使しながらシナジーを発動させていくのはやっぱり気持ちがいいです。ずっと味がするガムみたいなゲームだなという印象でした。



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